GIGAZINEが楽天の個人情報の扱いについて書いた記事
楽天、利用者のメールアドレスを含む個人情報を「1件10円」でダウンロード販売していることが判明
について、各所でちょっと盛り上がってるようなのでネタにしてみる。
あー、長い上に半端無く読みにくいので読まない方が良いです。
自分でも読み返そうとして諦めた。
せっかく書いたから残すけど。
今回のGIGAZINEの記事は、上記記事の冒頭にもあるとおり、
『楽天市場から個人情報がスパム業者に流出か、実名の記載された迷惑メールが楽天でしか使っていないメールアドレスに届き始める』の続きなんだけども、あんな長い記事は全部読まずに記事見出しだけで内容把握したつもりの人多いんじゃないの?
つか、私が最初に2本目の記事見たときは冒頭の注意書き無かったような気がするんだけど・・・気のせいかな。
GIGAZINEが各所から『全力で飛ばし記事』って叩かれてる理由の一つは、記事見出しでしょう。
「楽天市場で一度でも買い物したことのある人の個人情報が、誰でも勝手に買えるようになってる?!」と誤解しかねないし、それで脊髄反射してる人も結構見かける。
私も最初、「買い物してない店舗にも個人情報が流れてるの?!」と誤解した。
実際は、記事を良く読むと解るけど、楽天市場に出店してる店舗で買い物した人の個人情報を、その店舗に対して1件10円でCSV形式でダウンロードできる仕組みを提供してるって内容。
・・・これってそんな悪いことかね?
取引したときにはその都度メールで同じ情報が届くと記事中にも書いてある。
店舗側は顧客の情報をDBとかで管理したいものだろう。
だけど1件1件メールから情報抜き出しながら入力するのは面倒。
繁盛してる店舗ならデータ入力だけで無視できない人件費が掛かる。
だから楽天はデータベースに取り込みやすいCSV形式で提供してるんでしょ。有料で。
いやらしい商売だとは思うけど ここまでは別に叩かれるような内容じゃないでしょ。
でも2個目の記事の見出しはまさにコレを問題にしてるような見出しだよね。
GIGAZINEも、3つ目の記事
「楽天」が抱えている10個の問題点まとめ
で
言い訳その4:
「自顧客の個人情報を有料で提供することは個人情報保護法違反ではない。1件10円でダウンロード販売したと書いているが他店舗に販売したわけではなく、自店舗で注文した情報に限っている。あくまでもデータを加工してダウンロードという形態で提供しているだけであり、そのデータ加工代金、いわばシステム利用料を受け取っているだけに過ぎない。データがダウンロードできるからと言ってダウンロード販売とは言い切れない」
って書いてるけど、まさにコレで。この理屈はアウトですか?
「楽天市場の店舗は注文確認メールに書かれている顧客のメールアドレスを見ることができる」
と
「楽天市場の店舗はお客様情報を検索した画面から顧客のメールアドレスを見ることができる」
は、たしかに「個人情報のうち、クレジットカード番号、メールアドレスが店舗側では見られなくなります」と楽天自身が言っていることに矛盾してて問題だと思う。
「2005年に行った対策が甘かった」と言えばソレまで。甘すぎるにもほどがあるレベルだけど。
あと、私は楽天の店舗用システムを見たことがないけど、店舗側から客側にメール送りたい場合(在庫が確保出来ませんでしたとか発送が遅れますとか)って、客のメアドが解らなくてもメール送れる仕組みはあるのかな。
無いのなら、
「楽天市場の店舗は審査に通ればCSVデータダウンロードサービスを利用して顧客のメールアドレスを見ることができる」
は、楽天の審査を信じる/信じないは別として、店舗側からすれば取引する上で必要な情報だからアリなんじゃないかなとは思う。
でも「個人情報のうち、クレジットカード番号、メールアドレスが店舗側では見られなくなります」とは矛盾するから問題。
「楽天市場の店舗の一部に顧客のクレジットカード番号が渡っている」
は、Joshinは自社のポイントカードを持っていて、楽天店舗で買い物した場合でもポイントを付けたいんだろう。
そのためにカード番号は開示してほしいだろうことは理解出来る。
Joshinくらいの規模ならその要望にも例外的に応じようって気にもなるわな。
でも「個人情報のうち、クレジットカード番号、メールアドレスが店舗側では見られなくなります」とは矛盾するから問題。
ん?
今ためしにJoshin楽天店舗から途中まで決済処理進めてたんだけど、決済方法選択のとこで
備考:当店は楽天株式会社より例外的にクレジットカード番号の開示を受け、
独自に決済処理を行っております。詳しくはこちら。
で、そのこちらでは
新顧客情報管理体制の導入に伴い、一部の楽天市場の店舗においてクレジットカード決済をご利用いただけないというご不便をおかけしている状況がございました。
こちらにつきましては、お客様の利便性を考慮し、一部の店舗にてクレジットカードでの決済処理方法に対し2006年2月まで以下のような暫定処置をとることをお知らせいたします。
と、期間限定の暫定処置ってことになってる。
で、そのページの下に
新顧客情報管理体制(クレジットカード決済)に関する追加措置延期のご連絡
のリンクがあって、そこには
楽天市場では、お客様の利便性を配慮した、一層セキュリティ度の高いサービスの構築を目指しており、現段階において新顧客情報管理体制の完全導入(クレジットカード決済)については2006年9月末頃の対応を予定しております。
と、延期について書いてあるけど、対応完了にはなってないのね。
あくまで暫定処置ってことだけど、予定を2年半も過ぎてるのはコレはコレで問題じゃね?
たしかに楽天側にはいくつも落ち度があって、そこは謝罪すべき点だと思うし、早急に改善すべきだと思うけど、今回のGIGAZINEの記事は楽天に対して悪意が強すぎる気がする。