IE9、HTML5動画再生はH.264フォーマットのみ対応
去年後半あたりからずっと「HTML5がFlashを駆逐する」的な話が盛り上がってますが、多くは「問題は各ブラウザベンダーの足並みが揃わないこと」みたいな感じで、ビデオフォーマットがH.264 と Ogg/Theoraのどちらを実装するかっていう表とともに書かれてたりして、HTML5に置き換わること前提ですよね。
私は「Flash不要論」はちょっと懐疑的なんですよ。
まず、そもそもHTML5に出来てFlashに出来ないことが少ない。今後のFlashのアップデート次第で、出来ないことはなくなるかもしれない・・・ってことは無いかもしれないけど、減るかもしれない。
逆に、Flashにしか出来ないことが多い。
ウェブカメラやマイクへのアクセスとかね。これがないとUstreamやスティッカムとかニコ生みたいな個人配信の動画サービスが使えない。
ってことは、HTML5が見れるブラウザであってもFlashプラグインは入れないとWebが楽しめないってこと。
結局Flashプラグインをインストールする事になるわけですよ。
もう一点。
現時点で、世界のブラウザシェアの6割を占めるIE6~8がHTML5にほとんど対応していないわけです。
IE6だけ見ても、あれだけ大々的に、製造元のMSも一緒になって葬式イベントやるくらいに業界全体でIE6を抹殺しようとしても、今だ20%くらいのシェアを保ってます。
シェアを保つというか、「アップデートしない。メンドイ。よく分からないから現状維持」な人がそれだけ居るって事なんでしょう。
2014年にIE6のサポートが切れて、IE6のシェアが激減するとしても、まだ7と8が居ます。
IE9が出て、IE7や8の時みたいにWindowsUpdateで自動アップデートが掛かったとしても、IE7と8のシェアって3割くらいあるんじゃないかなぁ。
で、仮に3割残ったとして、その3割を無視して、うちみたいなWeb屋が非FlashでHTML5なサイトを作るワケが無いのですよね。
iPhoneやiPadが今後物凄いシェアを伸ばして4割のシェアを取ったとしても、HTML5未対応なブラウザが1割残ってるなら、Flashは捨て切れません。
「HTML5対応ブラウザでもFlashは見れるんだから、そのままFlashで」と「コストは掛かるけどFlashとHTML5の両対応」の2択じゃない?
Web屋としては、後者なら余分にお仕事もらえるわけだし。
現行Flash使ってるサイトのHTML5置き換えもあまり進むとは思えない。
上記な理由で、Flashが滅びるとかHTML5に取って代わられるなんてことは無いんじゃないかと思うんですよ。
現状HTML5の利点が少なすぎるもの。
Flash見れないiPhone/iPadが全ブラウザを駆逐するほどシェア伸ばしたならFlashも滅びるだろうけど。
Flash起因のバグやセキュリティホールの問題は確かに大きくて、何とかしなきゃいけないんだろうけど、ソレだけじゃFlashは駆逐できないでしょ。
ソレで駆逐できるくらいユーザーの意識が高いなら、Windowsのシェアが9割以上あるわけない。
・・・っていう論調な記事をあまり見ないんですが、たまたま目にしてないだけなのか、私の見通しが甘すぎるのか。
この程度のこと、私だけが至ってるわけがないので、きっともっと他の問題があるんだろうなぁ。私が見てないだけで。